穏やかな笑顔でその人は話してくれた。
「日本に旅行に来た。12日間の滞在だ。」と話す彼は台湾からの旅行客だった。
オーダーを伺ったところから会話の流れで彼が台湾人であることを知った。
今回の震災では台湾の方々には本当にお世話になっている。
そのことについてとても感謝していることを拙い英語で話しかけた。
台湾国内でもたくさんの人々が義援金活動をしていると彼は真面目な視線で語る。
彼自身は活動に参加することで、日本に興味を持ち今回の旅行をするきっかけになったんだとも話してくれた。
「隣人が困っているなら手を差し伸べるべきだ。言葉が通じないのなら耳を澄ませて伝えたい感情を少しでも理解しようとするだけさ。」
食事を終えた彼は穏やかな笑顔で席をたつ。
「特別なことではない」そう話した彼から差し伸べられた手を握る。
温かいその手に人間らしさを感じた。